非常時に安心!家庭用蓄電池の設置について
非常時に安心!家庭用蓄電池の設置について
近年、台風や大雨洪水、地震など様々な天災によって日本列島の安全が脅かされています。
このような災害時あるいは停電時には、水や食料、電気の供給、避難所の確保など多くの課題があります。しかし、それらの課題に対して自治体レベルでの対応はいまだ十分であるとは考えにくものがあります。
実際に災害や停電があった時に、重要性が増してくる項目として電気の確保があります。今の時代何をするにも電気が必要です。例えば、パソコンの電源、家電の電源、スマホの充電、電気自動車の充電など例は多くあげられます。
それらの課題を解決する一つの方法として、蓄電池を利用する方法があります。
蓄電池とは
蓄電池とは、詰まるところ一般的に利用されている化学電池です。化学電池とは、本体内部に電解質と負極、正極が梱包されており、電気を放出したり、電気を受け取ってため込む特徴があります。
蓄電池と乾電池の違い
電池は内部の正極、負極、電解質の間を電子が移動することによって機能します。
乾電池の場合は、電気を放出する一方向の移動しかできないため、放電が終了すると、それ以上利用できなくなります。
一方蓄電池の場合、放電という化学反応が終わった後でも、電気を受電することにより、放電時とは逆方向の電子の流れが起き、電気を貯めこめるように設計されています。
そのため、蓄電池内部の化学物質が劣化しない限り、電気の放電と充電を繰り返し行うことができます。
蓄電池の種類
蓄電池は内部の電極に利用されている物質のよって、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ナトリウム硫黄電池、リチウムイオン電池などありますが、基本的な仕組はみどれも同じで、電子の移動により、充電と放電を繰り返すことができます。
現在主流として利用されているのは、リチウムイオン電池です。この電池は、とても身近なところで利用されており、スマホ・携帯電話、パソコン、電気自動車など多岐にわたります。また他の電池と比較しても、劣化の速度が遅く、寿命が長いという利点があります。
家庭用蓄電池を設置するにあたり
蓄電池は台風や地震、停電で、電気が受電できなくなるような緊急時にとても頼もしいツールですが、設置にあったり、やはりメリットとデメリットが発生します。
ここからはそのメリット、デメリットをご紹介します。
家庭用蓄電池を設置して得られる3つのメリット
家庭用蓄電池を設置するメリット:①電気代を安くできる
電気代はプランによって昼間よりも、深夜の方が安くなるものがあります。
そこで、蓄電池を利用し、電気代が比較的低い深夜帯で充電し、その充電した電気を日中に利用することで、電気代を節約できます。
必要になる電気量を考えた場合、個人レベルでは微々たるコスト削減だったとしても、会社レベルに置き換えた場合、相当な電気代のコスト削減に繋がると考えられます。
家庭用蓄電池を設置するメリット:②日中のピークシフト活動に繋がる
日中は人々の生産活動が活発になるため。電気使用量が大きくなります。
とくに昨今の夏場は猛暑日が続くこともあり、電気使用量が高くなってきている傾向があります。この課題は電力会社として深刻で、どうにか電気のピーク量を下げたいという気持ちがあります。
このような背景があるため、会社レベルで蓄電池を設置し、日頃電気を貯めて利用するシステムを構築することができれば、電気量のピークをシフト(移動)することができます。つまり、会社レベルで蓄電池を設置することは、自社で扱う電気料金を下げるだけでなく、
ピークシフト活動への貢献に繋がります。
家庭用蓄電池を設置するメリット:③非常時でも電気を利用できる
蓄電池最大のメリットは、台風や地震が起きて送電が滞ったり、突然停電した場合でも、容量は限定されていますが、安定して電気を利用できることです。
個人レベルであれば、スマホや音楽プレイヤーの充電、パソコンの電源、夏や冬であれば
エアコンや暖房器具の電源として利用できます。
会社レベルの場合は、工場を稼働させる電力、オフィスでのパソコン、空調、電話、サーバーなどの電源とビジネス上必要不可欠なインフラを整備できます。
家庭用蓄電池を設置時のデメリット
家庭用蓄電池を設置するデメリット:①設置コストがかかる
どんなインフラを整備するにもやはりコストがかかります。蓄電池の場合も同じで、設置するにあたり初期費用がかかり、また運用するにあたっても、運用コストがかかります。
蓄電池本体価格は様々ですが、例えば、家庭用の蓄電池ではおおよそ80万円~200万円
程度になります。
近年、エネルギー利用の合理化を進める理由で、蓄電池設置の推進にあたり補助金制度が導入されています。そういった制度を勘案すると、これから蓄電池を設置するのは案外お手軽かもしれません。
蓄電池を設置するデメリット:②設置スペースが必要になる
設置するためのユーティリティスペースが必要です。家庭用向けの設置の場合、比較的本体サイズがコンパクトなので、戸建に住んでいれば問題なく設置できることでしょう。
会社レベルでも、工場や自社ビルをお持ちの法人様なら、検討できる設置スペースがあることでしょう。
蓄電池を設置するデメリット:③利用にあたり蓄電池に寿命がある
蓄電池も他の充電用バッテリーと同じく、使用寿命があります。今主流のリチウムイオン電池の場合だと、約4000回の放電と受電を繰り返すのが限界で、年月に換算すると約10年程度が目安です。そのため、蓄電池を10年毎に交換しなければならないので、そのタイミングで費用がかかります。
スマートグリッドの実現のために
蓄電池は、台風や地震などの災害時や停電時に緊急用電源として利用でき、その利用は家電やパソコン、エアコン、サーバーと広くカバーされます。また、非常時以外でも、電気使用量のピークシフトや、電気代コスト削減など大きなメリットがあり、しかもそれは社会貢献に繋がります。
ちなみに、蓄電池は太陽光発電とセットで設置することで、電気代をさらに安くできる上に、自家自消がよりスムーズになります。
さらに、会社レベルで蓄電池を設置することは、これから整備されてくる送電網であるスマートグリッド(次世代型送電網)を意識した行動であり、時代を考慮している会社であるというイメージを抱かせます。今後は電気の利用の仕方でさえ、その会社の意識レベルの高さを物語っていくことは大いにありえるでしょう。
また個人としても、電気の節約ができる家庭用蓄電池の設置を行うことで、時代にマッチしたライフスタイルを取り入れることができしょう。